SASAKI Ataru

危うげに感じる所も窺えるが、たしかに元気づけられる一冊だ。勢いという点では、図書新聞のインタヴューのほうがあった気がするが、それはこの本に「ルター」や「ムハンマド」の、あるいは「中世解釈者革命」の、「内容」が、少しく簡潔にとはいえ詰め込まれているせいだろう。「文学」の力を、読み通し、書き続けることの意義を、再確認する思い。
つまみ食いだけで積ん読状態のままになっている前著『夜戦と永遠』を今度は読み通せるかも。田崎英明『無能な者たちの共同体』を読み返したくなった。