2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

SAIGA Keiko, ethics

『空腹について』(雑賀恵子、青土社、2008年、ISBN:4791764382)を読み始める。薬学部と文学部を出て、農学部の大学院を修了している著者である。 目下の興味は「食人論」。人食いといえば、小説『野火』(大岡昇平)であり、戯曲『ひかりごけ』(武田泰淳…

NAKAI Hisao, Valéry, MINATO Chihiro, Lévi-Strauss

『日時計の影』(中井久夫、みすず書房、2008年、ISBN:4622074370)を読み始める。第七エッセイ。どこから読んでもよいだろう。一度や二度読み通したくらいで読み切ってしまうような中身の薄い文章はひとつもないので、読みたいと思ったところからあちらこち…

Azar Nafisi, Reading Lolita in Tehran

『テヘランでロリータを読む』(アーザル・ナフィーシー、市川恵理訳、白水社、2006年、ISBN:4560027544)を読む。邦訳がでたときから、表紙の写真が気になっていたこともあって、読みたいと思っていたのだが、ひょんなことからまだ読んでもいないのに他人に…

TAJIMA Masaki, logic, ethics

『哲学史のよみ方』(田島正樹、ちくま新書、1998年、ISBN:4480057439)を再読する。「どこから見始めてもよく、同じところへ別ルートからくり返し立ち寄ることもできる。どこにも特権的始源もなければ、目標(テロス)もない」」そんな「街の観光ガイドのよ…

HIGAKI Tatsuya, Foucault, contingency

『賭博/偶然の哲学』(檜垣立哉、河出書房新社、2008年、ISBN:4309244556)を読み始める。 九鬼周造の偶然論をドゥルーズのそれと対照させつつ、その「ポテンシャルや問題性」を指摘する第二章「賭けることの論理 九鬼とドゥルーズ」が面白い。フーコーの生…