2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Measuring the World, Daniel Kehlmann, Gauss, Humboldt

『世界の測量 ガウスとフンボルトの物語』(ダニエル・ケールマン、瀬川裕司訳、三修社、2008年、ISBN:4384041071)を読み始める。対位法的に書かれているのは、『楽園への道』と同じ。時代は少し遡る。近代化が「急拵え」だったのは、日本ばかりではない。…

NAKAI Hisao, psychopathology

『臨床瑣談』(中井久夫、みすず書房、2008年、ISBN:4622074168)を読む。やはり中井氏の文章は、わたしの精神にとって、興奮剤であるとともに安定剤である。 実際、診察は患者にかかる負荷を最小限にしなければならない。私の頭の中に描かれた地図は多くの…

The Way to Paradise, Mario Vargas Llosa, Tristan, Gauguin

『楽園への道』(世界文学全集 1-2) (マリオ・バルガス=リョサ、田村さと子訳、河出書房新社、2008年、ISBN:4309709427)を読む。フローラ・トリスタンとポール・ゴーギャン。祖母の死後に生まれた孫は、直接には祖母を知らない。 女性や労働者たちの権利獲…

TAJIMA Masaki, Spinoza

『スピノザという暗号』(田島正樹、青弓社、2001年、ISBN:4787210319)を再読する。この本を再読することができたのは、『スピノザ入門』(ピエール=フランソワ・モロー)や『スピノザの世界−神あるいは自然』(上野修)のおかげである。再読した今は、ドゥ…

TAJIMA Masaki, Heidegger

『読む哲学事典』(田島正樹、講談社現代新書、2006年、ISBN:4061498398)を再読する。「アキレスと亀」の解釈4にあらためての笑い。説明してしまうとユーモラスでなくなってしまうという性格をもつ「ユーモア」についての叙述にもセンスを感じる。先のエン…