2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

OHTA Tetsuo, Arendt

『ハンナ=アーレント』(太田哲男、清水書院、2001年、ISBN:4389411802)を読む。 意志 アーレントはこの本の「ドゥンス=スコトゥスと意志の優位」において、中世哲学者ドゥンス=スコトゥスを極めて高く評価する。彼女はスコトゥスの言葉、 意志する、否と意…

HAGIWARA Sakutaro

『猫町 他十七篇』(萩原朔太郎、岩波文庫、1995年、ISBN:4003106237)を読む。 「何が坂の向うにあるのだらう?」 坂のある風景は、ふしぎに浪漫的で、のすたるぢやの感じをあたへるものだ。坂を見てゐると、その風景の向うに、別の遥かな地平があるやうに…

SAWANO Masaki, Gilles Deleuze

『ドゥルーズを「活用」する!』(澤野雅樹、彩流社、2009年、ISBN:4779110564)を読む。 虚構−−手書きの地図 よく出来た映画は我々に無知ゆえの猛省を促し、知の空隙を埋めてくれる有り難い贈り物だとでも言いたいのか。いや、そういうことが問題なのではな…

YAMAGUCHI Masao, anthropology

『学問の春』(山口昌男、平凡社新書、2009年、ISBN:4582854796)を読む。 さまよえる学者たち それが唐突な考え方ではない証拠に、ヨーロッパ中世にフランソワ・ヴィヨン(1431-63?)という詩人がいました。この詩人は詩の先生と共にヨーロッパの大学を渡り…

IWAAKI Hitoshi

『ヒストリエ』(1〜5巻、岩明均、講談社)を読む。

refugees who call themselves/each other 'newcomers'

『菩提樹』『続菩提樹』(1956年、1958年、西独、ウォルフガング・リーベンアイナー監督)をDVDで観る。スピーディでユーモラス、ヴァイタリティと美しい歌声。2枚合わせて約200分。とくに亡命後の「in Amerika」のほうは、50年代のアメリカの街並みを背景…

IWAAKI Hitoshi

『寄生獣−完全版1〜8』(岩明均、講談社、2003年〜)を読む。 (KCデラックス)" title="寄生獣(完全版)(8) (KCデラックス)" class="asin">

Lévi-Strauss, anthropology

『野性の思考』(クロード・レヴィ=ストロ−ス、大橋保夫訳、みすず書房、1976年、ISBN:4622019728)の一部を読み返す。 コギトの虜囚−−人間を通じて学ばれた真理は世界に属する したがって、私の展望の中では、自我は他者に対立するものではないし、人間も世…

Ludwig Wittgenstein, ethics

『ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記―1930‐1932/1936‐1937』(イルゼ・ゾマヴィラ編、鬼界彰夫訳、講談社、2005年、ISBN:4062129574)を読む。 賛嘆の叫び 「これは善い、神がそのように命じたのだから」、これは無根拠性の正しい表現である。 倫理的命題は…

KARUBE Tadashi, MARUYAMA Masao

『丸山眞男―リベラリストの肖像』(苅部直、岩波新書、ISBN:4004310121)読む。 人為的秩序としての政治社会 つまり、近代以前から近代以後への学問の進展というものを、人間の主体性の確立という過程からみると、人間は自然に対して自分の主体性を確立した…

MORI Ichiro, Heidegger, KUKI, Arendt

『死と誕生―ハイデガー・九鬼周造・アーレント』(森一郎、東京大学出版会、2008年、ISBN:4130160281)を読み始める。 「記憶は反復の可能性の条件であり、将-来とは再-来なのである。」p234 以上述べた時間構造は、原版においては、次のようにまとめられて…