Osaka, Dubai, Larnaka, Malta

昨夜、予定より約1時間遅れで関空を飛び立ったエミレーツ機はドバイに現地時間で6時半頃に到着した。乗り継ぎのためにやたらにでかい空港内をバスで移動する。あまりに時間がかかるのでどこまで連れて行かれるのかと少し不安になった。これまでに11時間以上乗ってきたはずだが、経由地キプロスでの機内待機を含めてマルタまではまだ7時間以上も飛行機に乗っていなければならないようだ。
ドバイの空港で長い列に並んで入ったトイレは一見ぽっとん風の、つまり腰掛け式ではなく、しゃがむタイプのもの(もちろん水洗だがステンレス便器)だった。直前にいた白人が、待ってましたと勢い込んで突進しながら、中を覗くと顔を顰めて入るのをやめた(ちょうど空いた別のところに入った)ので、汚れのせいかとも思っていたのだが、たぶんこの便器のせいだったのだろう。むしろこれ幸いとそのまま入って、前向き駐車の要領ではじめ尻をドアに向けてしゃがんだのだが、途中で前後を間違えたかもと思い直し(いわゆる「金隠し」の部分がない、ので、ちょっと判断に困った、のである)、尻の向きを変えようと立ち上がったところ、センサーが働いて、ゴゴーッという轟音を伴った水が勢いよく流れ、まだキレイなままの便器の底を虚しく洗った。まったく用が足せていないのに、次の順番を待っている人かあるいは掃除の人夫がドアをノックしに来るのでは、と焦ってしまった。そうして、小さな塊をちょびっと落としただけで、そそくさとトイレから出る羽目になった。長い行列に並んでやっと入ったにもかかわらず、である。
8時半過ぎにドバイを離陸した飛行機は、現地タイム10時過ぎにラルナカ着。14時過ぎには関空を出てから4回目の機内食がでた。サンドイッチの選択もできたがアラブ風のチキン料理のほうを食べる。それまでにノーカントリー』『ジェイン・オースティンの読書会をすでに見ていたが、今度はダージリン急行を見た。機内でたくさんの映画が見れるのは結構なのだが、字幕が選べない(基本的にアラビア文字がでる)吹き替えになっているのには困った。先に日本語吹き替えで見た2作でも、セリフがちゃんと聞こえないことが多かったのだが、『ダージリン〜』は英語音声で見るしかなかったので、会話のかなりの部分が聞きとれなかった。それでも画面に映されるものの形態、色彩、運動といったものそれぞれの、類似や対照や組み合わせの妙は十分に楽しめる映画だったのでよかった。主題的にはサン・ジャックへの道に似ているようにも思えたが、男兄弟3人というところがまた面白いのだろう。マルタへの入国はきわめてスムーズで、空港から20分ほどバスに揺られると、現地時間15時過ぎにはサン・ジュリアンにあるホテルの部屋に入った。