Osaka

1週間ぶりに見る日本の桜はちょうど満開であった。昨夜就寝前に飲んだワインのせいか、それとも朝卵ご飯と一緒に食べた佃煮のせいか、通勤途上、激しい腹痛に襲われ、JR尼崎駅のトイレで急遽用を足すことになった。ワインも佃煮も旅行前から家の冷蔵庫にあったものである。幸い少し待っただけで便器の上にしゃがむことができたが、久しぶりの下痢であった。大阪駅環状線のホームに立つと、ちょうどやってきたのが、たまたま関空快速で、今日これから海外に出ます、という様子の人たちも少なくなかった。仕事を離れていたのは、ほんのしばらくのあいだにすぎない。それなのに、彼らを眺めていると、まるで遠い遠い国から帰ってきたような、不思議な気持ちになった。そうして彼らと一緒の電車に乗りながら、自分は、しかし今どこに向かいつつあるのだろう、と小供のように確かめ直していたのである。