Euripides, Greek tragedy

ギリシア悲劇〈4〉/エウリピデス〈下〉 (ちくま文庫)

……この苦しみを察してくれ。人間誰しも死ぬまで仕合わせなものはいない。生まれた以上苦しまねばならないのだ。(ギリシア悲劇 IV』ちくま文庫、1986年、ISBN:4480020144、p532)

……しかしこれもやむを得ぬ。『やむを得ず』に勝つものなし−−これはわたしの言い草ではない、賢者の教え給うたところだ。(同書p194)

ディオニュソス 今でも神はすぐそばにおられて、私がどんな目にあっているか眺めておられますぞ。
ペンテウス どこにおるというのだ。おれの目にはいっこうにうつらぬが。
ディオニュソス 私の立っているところにです。そなたは信心がないゆえに、神のお姿が目に入らぬのです。(同書p476)