Shanghai, Suzhou, Hangzhou,

中国旅行から戻る。3泊4日で上海(2泊)や蘇州、杭州(1泊)を訪ねるパックツアーに妻子と共に参加。
関空を出発して上海へ、リニアモーターカーに乗って時速300kmを体験し、黄浦江ナイトクルーズで外灘の夜景を楽しんで*11泊。
森ビルの100階展望台に登って真っ白な雲*2だけを見下ろし、豫園と周辺の繁華街の人混みのなかを歩き、魯迅公園では魯迅の墓と記念館を訪ね、上海博物館で絵画や書を鑑賞し、上海雑技団の球中を互いにすれすれに交錯しつつ駆け回る5台のオートバイにはらはらして1泊。
蘇州市に移って、寒山寺ではコインの灯籠投げ入れに成功し、扇子をあおぎながら世界遺産の留園をめぐり、船の舳先に立って風を感じながら運河を遊覧し、臭豆腐の匂う山塘街を散策し、杭州に移動する。宋城ショー(「宋城千古情」)の仕掛けに驚かされて1泊。
西湖を遊覧し、あまり空調の効かないサウナのようになった船でガイドさんに昨夜のショーの内容で不明だった点*3について説明を受け、そのまま杭州から関空へ。
中国を訪ねるのは十数年ぶりだったが、建築ラッシュの上海が中心ということもあってか、中国の経済的発展の勢いを肌で感じる旅行だった。この街は、永遠に「普請中」のまま突っ走っていくのではないか、という気がした。

*1:といっても乗船券の入手方法はおそらく違法的なものだったと思われ、席もすでに景色が見やすい船べりを確保していた中国人観光客を強圧的に押しのけるようにして用意されたりしたので、素直には喜べなかった。ちょっと安心したのは、そのスジの人らしい人の威嚇に対しても執拗に抗議して席(場所)を譲らない人たちがいたことである。そうだ、嬉しかったことがあった。たくさんの親族と一緒に旅行にきているらしい、とても日本語の上手な13歳の女の子と交流ができたこと。それもその達者な日本語がまったく独学によるものだという。後生畏るべし、というか、中国との明るい未来を目の前に見る思いがしたのである。

*2:100年前のロンドンと同じような理由からかも知れないが(そういえば火力に練炭を使っている店があった)、上海にはよく霧が出るそうだが、この日もそんな影響だったのかビルの上層部分から先は霞に呑み込まれていたのである。霧といえば以前は北京のほうが有名だったが、最近はどうなのだろう。

*3:白蛇伝」のラストで白素貞(白蛇)と許仙のふたりが「蝶」になって結ばれる場面。「蝶の道行」は、どうやら別の四大民間説話「梁山伯と祝英台」のクライマクスシーンだけをもってきていたようだ。梁山伯は男性主人公の名前で、水滸伝の舞台となる梁山泊ではない。ちなみにこの支離滅裂な印象がどうしても否めない歌舞劇、以前は「アリラン」の出し物の前に日舞のようなものをやっていたようだが、この日はなかった。日本人観光客からクレームでもあってとりやめにしたのかも知れない。中国通(で中国人の彼女もいる)らしい妻の同僚が、むしろこちらを是非にと勧めていたのが、チャン・イーモウのプロデュースだという「印象西湖」である。