散歩に出てみたくなって、鴉がかわかわと鳴いている。飛び去っていく、もう一羽の呼びかけに応えているのか。 その声の下で、すっと時計の世界から切れてしまう。音楽が身体から湧きあがってくるあの感じが、もうやってきたのだ。いつもいつも長閑な春として…
ぽつとりとポットン、あるいは紅から白へある本をぱらぱらとめくっていると、山頭火の句が引いてあって、そういえば家のシクラメンが一輪だけ花を咲かせているのに気がついたのは、いつのことだったろうか、雪がけっこう積もった日の次の朝だから、2月10日に…
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