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UCHIDA Tatsuru, Tocqueville, democracy

『街場のアメリカ論』(内田樹、NTT出版、2005年、ISBN:475714119X)を読み始める。 「過去のあらゆる精神的な遺産は、ここにおいて規範的なものにまで高められる。しかも孔子は、そのすべてを伝統の創始者としての周公に帰した。そして孔子自身は、自らを『…

Moreau, Spinoza

『スピノザ入門』(ピエール=フランソワ・モロー、松田克進&樋口善郎訳、白水社文庫クセジュ、2008年、ISBN:4560509271)を読む。 原題は「スピノザとスピノザ主義」。スピノザの生涯、著作、著作に示された主題と問題、スピノザ主義の歴史的な受容について…

Christopher Nolan, Zupancic, Lacan

「彼らには想像できないのだ、神の存在を信じている者であっても、その神を完全に無視したまま生きることができる、ということが。」(『リアルの倫理』p147) この言葉を読みながら、8月の終わりに見た映画を思い出していた。『ダークナイト』The Dark Kni…

OSHII Mamoru, Deleuze, Zupancic, Badiou

『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』を観てきた@ブルク7。始まりを描いた映画だった。君たちも始めなければ、というよりは、君にも始めることができるだろ、って感じの。 ドゥルーズにおいて永遠回帰とは「同じものの回帰」なのではなく、反対に、同じも…

Herodotus, Ancient Greece

『歴史(上)』(ヘロドトス、松平千秋訳、岩波文庫、1971年、ISBN:4003340515)を読み始める。 人間界の出来事が、偉大な驚嘆すべき事跡の数々でさえ、やがて時の流れと共に忘れ去られることを恐れて、とりわけギリシア人とバルバロイたちとの戦いを、その…

NOTOMI Noburu, Ancient Greek Philosophy

『ソフィストとは誰か?』(納富信留、人文書院、2006年、ISBN:4409040804)を読み始める。

OKADA Atsushi, Sigmund Freud

『フロイトのイタリア 旅・芸術・精神分析』(岡田温司、平凡社、2008年、ISBN:4582702791)を読み始める。 旅するフロイト。自らの鉄道恐怖をねじ伏せて、くり返したイタリアへの旅。そして葉書で、手紙で、イタリアの芸術を語るフロイト。自己分析の始まり…

FUJII Yoshio, Ancient Greece

『ギリシアの古典』(藤井義夫、中公新書、1966年、ISBN:4121001028)を読み始める。 エピメテウス(Epi-metheus = after thought)はその名の語源が示すように、「後からの思案」を、プロメテウス(Pro-metheus = before thought)は「前もっての思慮」を意…

TAKANO Yoshiro, Ancient Greece

『古代ギリシアの旅』(高野義郎、岩波新書、2002年、ISBN:4004307805)を読み始める。著者の専門は理論物理学である。 ドイツ象徴派の詩人リルケの『ドゥイーノの悲歌』第二も引いておきましょう。 おんみらはアッティカの墓碑に刻まれた 人間のたたずまい…

KOZU Harushige, Ancient Greece

『古典ギリシア』(高津春繁、講談社学術文庫、2006年*1、ISBN:4061597973)を読み始める。 現世主義者の彼らには世を捨てて逃避することなどは考えもせぬ。うつろいやすければこそますます急がねばならぬ。ここに彼らの厭うべきヒポクリシー[偽善]、虚偽…

IMAFUKU Ryuta, Iliad

『ミニマ・グラシア』(今福龍太、岩波書店、2008年、ISBN:4000248537)を読み始める。まずは「戦争とイーリアス」。「ソローからヴェイユへ」という副題が付いている。その手前に置かれた「待機する灰」も面白く読んだ。ついでに『土星の徴しの下に』(スー…

Colluthus, Tryphiodorus, Greek mythology

『ヘレネー誘拐・トロイア落城』(コルートス/トリピオドーロス、松田治訳、講談社学術文庫、2003年、ISBN:4061595865)を読む。

Aischylos, Greek tragedy

『縛られたプロメーテウス』(アイスキュロス、呉茂一訳、岩波文庫、1974年、ISBN:4003210433)を読む。

Quintus : The War at Troy ; What Homer didn't tell

『トロイア戦記』(クイントゥス、松田治訳、講談社学術文庫、2000年、ISBN:4061594478)を読み始める。 アイアース自死のあと、この戦いで自身の息子を失ってもいるネストールが人々の涙をいさめていう次の言葉。 「……。じゃが、戦いで倒れた者たちのために…

KANZAKI Shigeru, Greek tragedy

『魂(アニマ)への態度』(神崎繁、岩波書店、2008年、ISBN:4000281623)を読み始める。七日間の講義形式の「第4日」目のところで「メデア(メーデイア、メディア)」がとりあげられており、先日読んだ『ギリシア悲劇』(丹下和彦)でも扱われていた「テュ…

Homer

『オデュッセイア(下)』(ホメロス、松平千秋訳、岩波文庫、1994年、ISBN:4003210255)を読み始める。

Homer

『オデュッセイア(上)』(ホメロス、松平千秋訳、岩波文庫、1994年、ISBN:4003210247)を読み始める。

Euripides, Greek tragedy

『アウリスのイピゲネイア』(エウリピデス、呉茂一訳)におけるアガメムノンの科白 ……この苦しみを察してくれ。人間誰しも死ぬまで仕合わせなものはいない。生まれた以上苦しまねばならないのだ。(『ギリシア悲劇 IV』、ちくま文庫、1986年、ISBN:44800201…

Homer

『イリアス(下)』(ホメロス、松平千秋訳、岩波文庫、1992年、ISBN:4003210220)を読み始める。 アキレウスには次のような一面もあるのだった。 ああ、争いなど神界からも人の世からもなくなればよいに、それにまた怒りも。怒りというものは、分別ある人を…

TSURUMI Shunsuke, KAMEI Shunsuke, Whitman

『アメリカ』(鶴見俊輔&亀井俊介、文芸春秋社、1980年、ISBN:B000J83VHW) 『荒野のアメリカ』(亀井俊介、南雲堂、1987年、ISBN:4523291683) 『わが古典アメリカ文学』(亀井俊介、南雲堂、1988年、ISBN:4523000271) 『近代文学におけるホイットマンの…

Homer

『イリアス(上)』(ホメロス、松平千秋訳、岩波文庫、1992年、ISBN:4003210212)を読み始める。

Rorty, Whitman, Dewey

進歩は、前もって特定できるものに次第に接近していくことではなく、より多くの問題を解決することである。進歩は、私たちが目標に近づいた増加量よりも、過去の私たちを改善した程度によって測られる。 論理や説教は決して人の心を納得させることはない、 …

J・S・Mill

ジョン・スチュアート・ミルは、彼の父ジェイムズ・ミルによる幼児期からの英才教育のせいで早くから賞賛と成功を手に入れた人であるが、二十歳を過ぎた頃に、彼自身の言葉でいう無感覚の、失意の、憂鬱の、つまりは精神的にかなり危機的な一時期があったよ…

Lacan, Zizek

「どうして会えてうれしいなんて言うんだ? 会えてうれしいと本気で思っているくせに」p61 「なんでも望みを叶えてやろう。でも言っておくが、おまえの隣人には同じことを二倍叶えてやるぞ」。農夫は一瞬考えてから、悪賢そうな微笑を浮かべ、魔女に言う。「…

Greece, Malta

丹下和彦『ギリシア悲劇』(中公新書、2008年、ISBN:4121019334)と石川和恵『マルタ島に魅せられて』(晶文社、1997年、ISBN:4794963173)を読み始める。

I could not respond, AOYAGI Izumiko

山嵐からある提案があったのだが、応答できず。 青柳いづみこ『ボクたちクラッシックつながり』(文春新書、2008年、ISBN:4166606220)を読み始める。

Derrida, Rorty

哲学と政治について。 レヴィナスのためにも私自身のためにも、責任の無限性を捨てれば、責任は存在しないと私は言いたい。(……)「決定した」とか「自分の責任は果たした」と誰かが言うのを耳にするたびに、私はそうかなあという気がしますが、それは責任や…

Rorty

認識論から解釈学への転回を説くローティ。 互いに対立する理論は、それぞれが別々の全体のなかにふくまれており、両者のあいだには共通の地盤がない。したがってそれらを一連の規則によって合理的に一致させることができるという「共約可能性(commensurabi…

Dewey, YAGI Jyukichi

ある本のデューイの宗教観を概説する章において、彼が観察や思考にもとづく探究とは別に「想像力による『全体的自我の統一』」や「『宇宙と自我との調和』を重視」していた点を指摘する文脈で、八木重吉の詩が引用されていた。いずれも『貧しき信徒』という…

Santouka, KOIKE Masayo, SUZUKI Risaku

ぽつとりとポットン、あるいは紅から白へある本をぱらぱらとめくっていると、山頭火の句が引いてあって、そういえば家のシクラメンが一輪だけ花を咲かせているのに気がついたのは、いつのことだったろうか、雪がけっこう積もった日の次の朝だから、2月10日に…